「脳と咬むこと」               小沼 博       

平成13年度相模原市学校保健講演会  平成14年3月7日(木)pm2:00

於ウェルネスさがみはらA館7階 第4、第5会議室

 只今、ご紹介に預かりました小沼でございます。私は、市内で開業している一介の歯科開業医でございます。ですから、本日のテーマ「脳と咬むこと」から、今日、ここに参加されている方々は、おそらく、「咬むと頭が良くなる」具体例などのはなしが中心に進んでいくとイメージされているかと思います。

 今日の演題は、もともと、去年の秋、私が園医の保育園でお母さん方への母親教室で使用したものです。毎年2回保育園で検診を行っています。検診結果の紙に、少し読んだ本の受け売りで「よく咬むと頭も良くなるから歯を大切にしましょう。」とコメントを書きました。このことから、園長先生に、今度の母親教室は「脳と咬むこと」についてですか?と聞かれてしまいました。

 そもそも、歯科大では、献体の解剖を通じて実際にも脳の解剖も経験させていただいています。生理学という教科では、咬むことと脳の関係も、ある程度、学んでいるはずです。しかし、私は、青春時代を大切にするよう心掛けていました。勉強は、とにかく試験にパスするだけで済ませていました。したがって、私は園長先生に、専門家としての知識の空白をつかれる形となりました。

  しかしながら、皆様のお手元にお配りした参考図書などで、あらためて調べてみると、幸いなことに、脳は、とらえがたい臓器で「咬むことと脳の関係」は、ほとんど明らかにされていないこと、また脳の研究自体が、21世紀のフロンティアであり、まだまだ分からない点が、たくさんあることが判り、ほっと、いたしました。

 そして、脳のことについて調べていくうちに、どうしても突き当たってしまう問題が在ることに気付かされました。それは、自我とは何か、他者とは何か、ヒトとは何か。それが作る社会とは何か。という点です。

 さて、本日のテーマは「脳と咬むこと」です。そのことについてまず、保育園で、お母さん方にお話しした内容を、多少充実させたもので、基本的なところをみていきたいと思います。さらに、「殺人にまで及ぶ若者、学級崩壊、幼児虐待など」、世界的視野でみても、異常なことが、今日の日本の社会に日常的に起こっているのは何故か。この講演を機会に、考えてみたいと思います。そして、それをふまえ、食事の大切さを考え、それを支える歯は大切であると、話をまとめていきたいと思います。

 ですから、今日の話は「脳と咬むこと」がテーマですが、皆様がイメージする内容から少し飛躍したことを述べることになります。また、私たちが普通なじみの少ない脳そのもののお話が中心になりますので、いきなり、解りにくいこと出てくるかもしれません。

 しかし、脳のことはまだまだ解らないことがたくさんあるようですし、私の独断と偏見で話を進める部分もあります。だいたいのところをわかっていただき、皆様に受け入れていただければ、幸いです。

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脳を介して起こる咀嚼の全身的な影響についてまとめられた図です。これは、昨年11月に参加した、大阪での全国学校歯科保健大会の、要項から写してきたものです。ここでも、これからは、食べることと脳の関係について考えていくことは、顎口腔系の健康教育に、大切であるとふれられました。

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 私は、保育園の検診の時に、必ず何か出し物をするようにしています。こどもたちに「歯医者のおじちゃん、今日は何やってくれるの?」と期待されています。

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 検診よりも出し物の方に熱が入っています。

さて、わたしたちは「よく咬んで食べないと、頭がよくならない。」などということを、最近よく耳にします。

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 実際に咬むことと、知能指数を調べた研究がございます。大阪の方の幼稚園児70名を対象にした実験で、ピーナッツを能率よく砕ける子供の方が、砕けない子供より知能指数が高いという結果が得られています。グラフが、一応右上がりになっています。

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 また、他の幼稚園児を対象とした実験では、毎回通常メニューにカツオのくんせい3匹を加えた給食を6ヶ月間加えたグループは、加えないグループと比べて知能検査結果が向上したという報告がございます。非訓練側よりも訓練側の方が、咬合力が上がり、知能テストも上がっています。

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 それでは、何故こんな事が起こるのでしょうか?まず脳というものについて考えてみたいと思います。

 脳は神経から出来ています。神経とはいったいなんでしょうか?植物には神経はありません。下等な単細胞生物にも神経はございません。

 神経は、動く多細胞の動物にあるものです。それでは何故、動物は移動するのでしょう?

 ひとつに、それは食べ物を得るためです。動くため、神経は、動物の多細胞を連結しコミュニュケーションさせるためにあります。

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 私たち人類は、直立歩行していてわかりにくいのですが、おふとんの上で、うつぶせになって、顎を突き出して、下等な脊椎動物になった気分になるとわかることがあります。

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 動物は、食べ物に向かって進みます。食べ物を得るため、進行方向から来る様々な情報を得るものが、視覚、聴覚、臭覚です。この情報を、すばやく処理するため頭のところにできた神経のかたまりが、脳と言えます。

 この神経のかたまりは進化するにつれ、より複雑なものになり、我々人類では、「意識」という不思議なものを持つようになりました。

 次にヒトの脳の構造についてみていきたいと思います。

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 その前に神経細胞について少々説明します。神経細胞は、細胞体と数十本の大小さまざまの突起で出来ています。突起うち長いものが一本あり、それが、神経線維となっています。細胞は情報を受け突起の中に電気を流し、その端のところで、次の細胞に化学伝達物質というものを使って情報をわたす、電線のような仕組みになっています。

 さて、脳は大きく分けると、脳幹、小脳、大脳という3つの部分に分けることが出来ます。

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 脳幹は、背中の脊髄とつながる部分にある脳です。神経細胞が、集まっているところを神経核といいます。

 脳幹には、多くの、この神経核というものがあり、それぞれが働きを分担しています。特に、脳幹の中にある網の目状にみえる脳幹網様体の神経核のグループは、後ほどお話しする「元気な気持ち」を作り出す神経核です。

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小脳は、運動を調節する働きがあると言われてきました。しかし、最近は、それ以外の知性にも、大きな役割があると言われています。

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 大脳は脳の大きい部分で、この大脳の表面には、大脳新皮質という神経細胞の詰まった3㎜ほどの薄い層があります。これです。これが、人類における知性を担当する部分です

 この大脳皮質に詰まっている神経細胞によって、聴覚や視覚からの情報に、記憶などの情報を加え、筋肉を動かすことができます。

 大脳は右脳と左脳に分けることができます。、

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 さらに前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられています。大脳皮質は、それぞれの働きをする領域に分かれています。これを難しい言葉で「機能局在化」といいます。これらは、皮質の内側の方で互いにつながりを持ち、連絡しあっています。

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 例えば、左右の知覚や運動を担当する領域の他に、左脳には言語に関する領域や、数学的論理的知能の領域があり、右脳には絵画的知能の領域や、音楽的知能の領域、そして空間把握の領域があります。

 ちなみに、大脳新皮質の働きには男女差がありまして、もともと、男性はヤリを担いで狩りに出かける狩人として脳が進化してきました。そのため、1つの目標をとことん追求する脳になっており、いっぺんにひとつの大脳皮質の領域しか働かない脳になっています。 一方女性は、洞穴の中で子育てやこまごました家事をする脳として進化してきました。そのため、右脳と左脳を結ぶ脳梁というところが太くできており、いっぺんにいくつもの脳の領域を使うことが出来ます。そのため女性は、言語やコミュニュケーション優れた能力を持っております。

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 このことについては、ベストセラーで200万部売れたこの本に、詳しく書いてあるので、夫婦喧嘩でお困りの方は、読んでみて下さい。

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 さて話は戻ります。この大脳新皮質は、「このように、」大脳の一番外側に位置しています。

 そして、「ここに、」大脳辺縁系とありますが、ここは怒ったり悲しんだりする「情動」感情に関係する部分を含んでいます。大切なところなのですが、今日は、話を簡単にするため省略して話を進めます。

 この大脳新皮質は、情報をオンオフの積み重ねによってデジタル処理しています。この大脳新皮質に対して、アナログ的にボリュームを上げたり下げたりするするところがあります。それは、先ほども、お話しした、「この脳幹」の網様体にある神経核です。

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 「この」ように、A系列、B系列、C系列と言ったように分類されています。これは蛍光法という方法で、発見されました。有名なものはA10とA6です。

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 この神経核から出ている神経線維は「このように」大脳皮質に分布しています。

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 そして、その端のところは「このように」かご状になっていて、化学伝達物質をばらまくようになっています。

  例えれば、神経核がホースを延ばして、大脳皮質に元気のシャワーを浴びさせる仕組みになっています。シャワーには、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった名前のものが使われています。

 セロトニンは心の安定を、ノルアドレナリンは覚醒と集中力を、ドーパミンは快感を感じさせる働きがあります。

 セロトニンは愛されたり、かわいい赤ちゃんの顔を見たときに出されます。ノルアドレナリンは、緊張されたとき出されます。ドーパミンは何かにうまく行ったとき、例えば宝くじに大当たりしたとき出されます。

 脳幹は、へびやかえるにもある脳です。へびやかえるにもある下等な脳が、高等な人類の大脳新皮質を、気分や緊張といった面で、支配していると言えます。

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 これは、スーパーで買ってきた雑誌から、写してきたものです。セロトニンがたくさんでている「幸せ脳」に変われば、つい食べ食べ過ぎもストップと書いてあります。


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 これは、脳幹網様体を表している別の図です。

 大脳新皮質の前頭連合野というところから、逆に、フィードバック的に、この脳幹網様体に働きかける神経経路もあります。

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 また 体の知覚、たとえば、「触覚」とか、筋肉を動かしていることを感じる「筋覚」も中枢に上がってくる途中で神経線維は側枝、枝を出していて、脳幹の網様体に刺激を送ります。例えば、朝眠いとき、寝のびをすると目が覚めてきますが、ストレッチをすると筋覚が脳幹網様体を刺激して、ノルアドレナリンが分泌されるためと思われます。

  さて、ものを食べるとき、私たちはどういう刺激を受けているでしょうか?まず目から形や色を見ます。においを感じます。食器の音が聞こえてきます。過去の記憶が動員されます。食事をともにする好きなヒトとの会話がはずみます。

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 食べ物を口に入れます。味が口の中に拡がります。食べ物を咬みます。歯は、このような歯根膜に支えられているで、歯は、食べ物の硬さを感じます。顎の関節も刺激を受けます。耳に音が響きます。

 そして、顎の筋肉からは、特に大きな刺激が起こります。顎の筋肉からの刺激も神経線維を通じて脳の方に送られてきますが、届いた先のすぐ下に、ノルアドレナリンを出すA6神経核が位置する関係にあります。

 最後に、食べ物がのどを通過します。

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 これらのことすべてが、脳幹網様体を刺激すると考えられます。そのことが、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンといった物質を大脳新皮質にばらまいていると、考えます。

  このため、最初に述べたように脳の活発な成長期にある子供が、よく咬む訓練をすると知能指数が上がる現象が起こるのだと思われます。

 私たちは、むしゃくしゃするとやたらものが食べたくなります。眠くなってもまだ遊びたいこどもが、むしゃむしゃものを食べることがあります。寝たきりのご老人に、総入れ歯を入れると歩けるようになったという報告があります。よくかまないですむ食事を与えたネズミは、脳の記憶に関係するところの細胞が減ったという報告があります。

 これらのことも、こういった仕組みが関係しているのかもしれません。

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  さて、大脳新皮質の脳細胞について話をしたいと思います。

 脳細胞の数は、出生時が最も多く1歳までに、5分の1ほどにその数を減らします。その後、脳の成長とともに徐々に数を減らしていきます。脳細胞は、様々な可能性を持って誕生します。そして環境と遺伝によって、不要な細胞をどんどん捨てると考えます。

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 一方、神経と神経を結びつけ、複雑な神経回路網を作る部分を、シナプスとよびますが、この数は、8歳くらいまで激増し、ここを頂点に思春期にかけて激減します。これを「刈り込み」とよんでいます。これは、環境と遺伝により、ヒトとして、その社会で必要そうな神経結合をとりあえず8歳くらいまで、たくさん作り、その後あまり使わないものを捨てよく使われるものを残し、発達させるものと考えられています。早く処理できるように
ごちゃごちゃしていた道筋を整理していくのではないでしょうか。したがって、捨てる前の基礎となる神経回路網ができあがるのは8才です。ですから、本物のバイリンガルを育てるには、このころまで、日本語と英語にさらされている環境が必要です。

 文科省は、「脳科学」の観点から語学教育の開始時期を模索しはじめたと、最近の新聞に書いてありました。

 また、脳の働きの60%が遺伝要因、40%が環境要因ですから、両親の才能を参考に、8才頃までに、その子の得意分野を見つけ伸ばして上げるといいそうです。ちなみに、スポーツができるといったことや、その子の性格といったことも脳の働き、知性です。

  神経回路ができる時期を、臨界期または敏感期といいます。適切な時期に適切な刺激を与える大切さについて、後ほどまたふれますので、頭の隅に置いておいて下さい。

  脳の成長と、脳内物質の関係はまだまだよくわかっていないそうです。しかし、成長期の脳にはノルアドレナリンとドーパミンが豊富にあることは、わかっています。ドーパミンは天然覚醒剤みたいなものです。こどもがニコニコして頻繁に体を動かすのも、このためかもしれません。

 さるの実験があります。ヒトの幼児期にあたる、2歳までの赤ちゃんざるを、1年間くらい親から隔離して、とげとげしたところにほ乳瓶をおいて育てるといったものです。

 結果として、乱暴者で集団にとけ込めず、いじめにあい、そして適切に配偶者を見つけられなくなります。そのさるを死後解剖してみると、セロトニン系やドーパミン系が未発達であったそうです。

 脳幹網様体A10神経は、頭の前の方にある前頭連合野にドーパミンを、作用させます。前頭連合野は、意志や創造を担当するといわれているところです。ヒトではここが大きく発達していて、快楽物質ドーパミンもどんどん分泌するような仕組みなっています。これがため、持続的にここの大脳新皮質を使えるようになったヒトが、文明社会を築き上げたといえます。さらに、ここに「意識」を統率する領域があります。人間らしく、うまく知恵を働かせることができるのもここがうまく働くためでしょう。

 暴力的なテレビ番組や幼児虐待などの、乳幼児期のこどもの脳に生涯にわたる深刻な影響が気になります。いじめ、学級崩壊、無責任な若者が、問題となっていますがこのあたりのことも、原因かもしれません。

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 現代は、ほとんどのご家庭が核家族で、密室の中の母と子、一対一の子育て、そして不安定な社会への悩みを反映して、子育て本が、どの本屋でも山積みになっています。

 その中で、福音館書店から出ている児童精神科医 佐々木正美先生の「子どもへもまなざし」を読みましたところ、本質的なところを見事についていていまして、強いインパクトを受けました。「子どもへもまなざし」という題名ですが、実は「おとなへのまなざし」でもあるとも思いました。

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 この本の内容は、アメリカの精神分析学者エリックエリクソンの言った「基本的信頼感」という言葉が基礎となっています。「ヒトは、他者から認められることによって、自らを認められるようになる。そして自らを認められるようになれば、他者を認められるようになる。」という話です。
 乳幼児期に、保育者から認められること、すなわち過保護にされることが重要だといっています。無条件に欲求を満たされれば、それ以上要求しなくなり、「基本的信頼感」ができて、人の言うことを受け入れるようになる、お母さんが好きになれば、お母さんにとってのしつけが、こどもにとってしつけでなくなるということです。

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 「過干渉」や「放任」はダメだといっています。

 無条件に要求を満たすといっても、「もの」に対しての制限などもあり、詳細につきましては、直接先生の本にあたっていただけたらと思います。 

 さて、精神分析の流れの佐々木先生のご本では、「脳科学」のことについては、ふれられていません。  

 しかし、ところがある瞬間、私にひらめきが起こりました。今まで考えてきたこと、佐々木先生のはなし、脳関係の本、新聞の記事などのさまざまな社会問題も含め、ひとつにまとめて、歯の大切さもこれに組み込んだ「物語」を思いついたのです。これから、その私の「思いつき話」をいたします。   

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 佐々木先生は、愛情とは、思いやりすなわち、相手のしてもらいたい方向で考えること、すなわち相手を認めるということであると言っています。

 子どもは保育者から愛されることが充足されることによって、かけがいのない自分を認めることができて、愛することが出来ます。そういったことがあって、はじめて他者を愛し認めることができる人間となり、おとなのいうことに耳を傾けるようになり、他人を思いやること、ひいては、社会秩序、道徳を守れるようになる、人格が形成される、というようなことを言っています。

 さらに、佐々木先生の暖かく、もし認められないまま大きくなって色々な精神的問題が起こしても、小さいときよりも大変だけれど、認められることによって必ずよい方向に進むといっています。

 これを脳科学などから考えてみます。ある先生は「自己意識」についてこう書いています。

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 そのまま読みます。

 「最も高次な水準の意識とみなされるのが自己意識である。自分で考えていることが自分で分かる(自己モデルの形成)、さらにこれを基盤にして他者が考えていることも分かるようになる(他者モデルへの拡張)のが、自己意識のユニークな特徴であり、意識に固有の情報処理である。自己モデルは3歳以降の幼児期に徐々に形成されると考えられ、その形成の脳内基盤として前頭前野における自己モニタの機能の成熟があげられる。つまり、脳は脳の働きを自己制御(コントロール)できる自己認識の機能のシステムを前頭前野に形成してゆくのであるが、この自己モニタの健全な獲得には前頭前野のニューロンネットットワークの形成と同時に外部環境との相互作用が生み出す外界認識のためのシステムの獲得、それを基盤とした言語の獲得、対人コミュニケーションに依存した自己モデルの形成が不可欠である。」
                             

  初めて聞くと、何の事やらさっぱり判ないかもしれません。でも何か、近いものを感じます。人の気持ちが分かるためには、脳の前頭葉の中に「自己」をになう健全なニューロンネットワーク作らなければいけない。といっているようです。佐々木先生の言うところの「自分を認める」「自分が好きになる」とは、対人コミュニケーションを通じて、脳の中に「健全な自己モデル」の形成がされることであると、と言い換えられそうです。

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 「乳幼児の世界」という本があります。その中でも自己のスタートは、3歳からだと書いてありました。そして3歳児は、確かな世界を主体的に獲得するために、仮説を立てそれをひとつひとつ検証するという「確認のセレモニー」を行なうとしています。

 いっさいの例外を認めない3歳児は、概念ができあがった大人の目から、これはいわゆる「だだっ子」の姿です。四,五歳になるとだんだんこれに、固執しなくなると書いてありました。

 けれども、確かな世界を主体的に獲得するとは、与えられた環境から「脳に自己モデルを形成すること」と言い換えられないでしょうか。 確かにある程度概念が頭にできあがってくると、すべての仮説ををいちいち検証する必要はなくなるともいえますが、人は一生、経験を積み、生活圏を広げていく、と言った観点からすれば、それぞれの過去の経験をもとに「確認のセレモニー」は生涯にわたって行っているものと考えてもいいのではないかと思います。

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 ある脳科学者は、「コンピューターは出力を目的としてプログラムが作られるが、脳は、出力に依存してプログラムを作ることを目的としている」といっています。また、「コンピューターは処理することが仕事で、その中で使われるメモリーは補助的なものであるが、脳はすべてがメモリーだ」といっています。

  コンピュータは、高等なことを事をやっているようです。しかし、あらかじめ備えてあるプログラムに従って反応しているだけです。その場に応じた反応は、コンピューターにはできません。それに対して、脳は、対応することでプログラムを自らが作っています。あらかじめ対応できるプログラムがなくても、それ以前に作ったプログラムで何らかの行為を実行し対応力つけていきます。

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 人が、外に向かって何かをしたり、内に向かって何かを考える、といった出力行為そのものによって、記憶作りをしていくこと、自己というプログラムを、日々、自分自身で、バージョンアップしていくことが、人生そのものであるといえます。このとき、状況に応じて過去に作ったプログラムを、選び出し利用しさらに加工します。

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 例えば、よく見るだまし絵です。はじめてみた時、若い女の人が後ろを向いている姿と考えました。これが内に向かって何かを考える、出力行為です。その後、過去の記憶を動員して対処します。そして、こっちを向いている鼻の大きいおばあさんを、発見しました。

 最後に、この「対処と発見」を記憶します。私たちの脳の日常は、こういったことの連続、積み重ねです。さらにいえば、「生きる知恵というものは教わるものではなく、体の中からわき出てくるものだ。」といわれるのもこういった関係からだと思います。

 3歳児が、自己の確立のために、仮説を立てそれをひとつひとつ検証するという行為も、出力依存性に脳にプログラムを作っている、といい変えることが出来ます。

 さて、元に戻ります。佐々木先生は、愛情とは、思いやりすなわち、相手のしてもらいたい方向で考えること、すなわち相手を認めるということであると言っていました。

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  逆に、愛されるとはどういうことでしょうか?これは、「認められる」ということです。「自分のしたいように配慮してもらえる」ということです。「自分の好きなように、思うようにしたらいいんだよ」と言われることです。そして 「自分の話を肯定的に聞いてもらえる」ということです。これは、言い換えると、出力依存性にプログラムを脳にを作ることを、じゃまされない、ということです。

 急速に脳細胞の回路を形成し続ける3歳児の脳は、自分を取り囲む環境をどんどん吸収し、健全な自己意識を形成したがっています。そのため、頑固に仮説検証します。充分に自分で考え、納得する行為は、自己形成のための美しい生命成長の姿だと言えます。生物学的時間の流れの中にいる3歳児は、便利になればなるほどますます忙しくなる、現代の不思議なおとな時間にとわれていません。

 例えば、3歳児が、道ばたで小石を何度もさわり、積み上げたり崩したりする行為を見かけます。科学者のように、同じ実験を何度も繰り返し同じ結論を得たときにその先に進みます。子どもの遊びと、気休めであるところの大人の遊びとは、意味が違います。子どもの遊びは、自己と他者の関係をみいだすための真剣な哲学行為なのです。

 しかし、自分のしたいことやしなければならないことで、時間に追われているお母さんにとって、待っていられません。その上、車がそこらじゅうかけまわっていて危ないし、何かからだによくない化学物質などがありそうです。現代社会の普通のお母さんは「なにぐずぐずしてているの!はやくしなさい!」と言ってしまいます。

 「健全な自我の育成」のプロセスを中断させられた3歳児は、そのとき調和のとれた神経回路の獲得のチャンスをのがしたことになります。

  少し成長すると子どもは、いたずら坊主になってきます。この社会では、どんなことをしていけないのか、大人の反応を、仮説検証しています。けれども、時間に追われている親には、つき合っていられません。頭ごなしに「ダメ!ダメ!」と中断させられてしまうか、完全にほっとかれます。

 子どもは、おどけてみたりすることがあります。親の愛情を仮説検証しています。それを通じて自分の中に愛情回路を造ろうとしています。けれども、自分の時間に追われている親には、「なにやっているの!ばかなことはやめなさい!」と叱られてしまいます。

 このような環境で、自我の形成の中断を繰り返されると、できるだけ仮説検証をするのをやめるようになった子は、いわゆる「手の掛からないよい子」になります。そして親は、自分の思い通りになり、自分の怒りが静まり、自分のいわゆる「しつけ」に満足します。

 更に、学校に入っても引き続き、身の回りに否定的な事ばかり起こり続けると、最終的に、自滅的破壊的な行動にでるか、引きこもりになってしまいます。

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 そこであわてた大人に、「きみはきみのままでいいんだよ。」と初めて言われることになります。しかし、不信感が積もり積もっているので、健全な自己モデルを土台から作り直すには、本人はもちろんのこと、回りも大変なエネルギーを使わなければならなくなります。

  最近、出来るだけ目立つところにかいた奇妙ならくがきをよく見かけます。成人式でわざと暴れる若者が報道されます。愛されずに自己形成が不健全なもの同士、認めあいを求めて集まり、「俺たちを認めろ!」と叫んでいるようで、哀れです。

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  脳ネットワークには、臨界期または敏感期というものがあることを、前の方で少しお話し、いたしました。これは、外から入ってくる刺激を利用して、脳ネットワーク完成する期間で、これを逸すると、同じ様な刺激を与えても脳ネットワークは完全な形に改良されず、生涯にわたる影響を残すことになります。

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 たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんは目がはっきり見えません。外界の刺激を通じて頭の後ろの方にある大脳皮質の視覚野が完成されることによって見えるようになってきます。もし片目を閉じたままで臨界期を越えると、閉じた方の目が、眼球自体は正常でも、脳の方の関係で生涯見えないという事態が起こります。

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 これと同じように、前頭連合野の脳ネットワークの最敏感期は、誕生してからシナスプ密度の一番高まる6歳から9歳くらいまでで、この後は、学習効率が落ちて行くと考えられます。自己意識が作られやすいと思われるこの幼年期、学童期に暖かい家族、地域、友達など多くのヒトに見守られ刺激されながら成長することが必須です。そのことによって、充分に、出力依存的な脳プログラムづくりができます。それにより、こめかみの奥のところにある「意識」の総司令部に、必要な健全なニューロンネットワークと、側頭葉などに、社会から歓迎されるメモリが蓄積された、ニューロンネットワークができるようになると思われます。

 そして、自分を好きになり、その自己肯定感から、所属する社会の中で、建設的に創造的に意欲的に活動ができるようになると思います。

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 さて、意識の大切な役割のひとつに、相手の心的状況をシュミレーションするという事がありました。肯定的な自我が形成されると、相手の心的状況を肯定的にシュミレーションする事ができるようになります。すなわち、自己の他者化、他者の自己化が、肯定的にできるようになります。これは、相手を思いやることができるということであり、言い換えれば、相手のしてもらいたい方向を考えることができるということです。すなわち、異なる意見に耳を傾け、異なる立場の人々に心を重ねることができるということです。

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 ヒトは、ヒトから生まれてきます。ですから、ヒトは、初めからヒトとの関係に育まれて、成長していくといえます。そして、光、音波、および物理的接触を電気信号に変え、ニューロンシナプスの回路網を介して、ヒトとヒトは、関係し合います。     

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 太古の時代、肉体的に無防備な人類は、猛獣などに怯え、自然の驚異にさらされていたと考えられます。野獣などの外敵から、身を守らなければなりません。生物としては、種を保存しなければなりません。そこで、群をなし、肩を寄せ合って生きていくという戦略を選択したと考えます。

 しかしながら、群をなし、肩を寄せ合うといっても、相手の気持ちが分からなければ、いいかえれば、相手の心的状況をシュミレーションできなければ、群をなすことは不可能です。そこで「自己意識」が登場します。

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 種を守るため装置としての自己意識は、進化した脳の前頭連合野に獲得されました。この自己意識が、相手の気持ちのシュミレーションし、すなわち他者の心を読み、ヒトとヒトとを結びつけるようになりました。したがって、愛情とは、人類という種を保存するためのシステムであると考えます。

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 これを私は、「ヒト愛情システム」と勝手に名付けました。そして言語とは、この「ヒト愛情システム」を強化するために発生してきたものと考えます。

  一般に、前頭連合野は、意志、意欲、創造力の脳だといわれています。しかし、我々と相同な脳構造を持つ哺乳動物、たとえば、痕跡程度だが前頭連合野がある犬や猫にも「愛情」がありそうです。そして、道具を作ったりする創造力はなさそうです。したがって、自己意識は、まず第一に、ヒトとヒトとをつなげる、愛情システムのためにあると考えます。

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 寿命はせいぜい20代、今と違い、生と死の現場に日常的に直接、接していたと考えられます。そのなかで人類は、お互いをかばい合い、認め合い、思いやりと愛情の中で暮らしていたのではないかと思います。そこでこどもは、ヒトの悲しみとかヒトの苦しみなどを感じながら、豊かな自己を育むことが出来たと思います。

 ヒトの前頭連合野には、脳幹系のA10神経から、快感神経伝達物質ドーパミンが放出されます。脳を急激に肥大化させた我々人類では、神経末端においてオートレセプターを欠くようになりました。オートレセプターとは、サーモスタット的に自分の出した神経伝達物質の量を調整する受容体のことです。これによって、持続的に活性可能なを前頭連合野を持つことができました。これも「ヒト愛情システム」の強化目的におこなわれたと、とらえます。

 しかし、群ることは、より安定感のある農耕生活など「社会生活」つくりました。このことは、ただ生きていくだけでも大変な狩猟生活から人類を開放しました。

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 そして、我々の脳は、相手の心を、シュミレーションすることが大得意なっていましたから、ものを概念化したり、イメージ化をすることも可能です。これは、「ヒト愛情システム」から考えると「意識」の二次的機能である「創造力」の発動の条件が、人類に与えられたこと意味します。本来「ヒト愛情システム」のために、徹頭徹尾使われていた「自己意識」機能が、転用されてもしくは拡大されて、創造に使われるようになったと考えます。

 むしろ、創意工夫は、認めてもらえる相手、認める相手がいることより、より豊かになってきたことを考えると、思いやりの表現、愛情の発露のひとつの形であり、「ヒト愛情システム」の延長線上にあるものと考えることもできます。

 人間が幸福に生きるというのは、ヒトの幸福に貢献できたときです。打ち込むとか夢中になるというのも、人のためにつくすの機能のあらわれであると、考えてもいいかもしれません。

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 ところが、この創造力によるヒトの社会化の進展は、「ヒト愛情システム」の間接化が可能になりました。本来、愛情の発露であった「もの」、ごく身近なヒトのために作った「もの」が、物々交換により、流通し始めたからです。そして、その代替物の「おかね」も使うようになりました。

 こうなると、ヒトとヒトは、肩を寄り添う直接関係を結ばなくてもよくなります。「間接的愛情」の収集に精を出しておけば、安全、安心、快適な環境を手に入れることが出来るからです。ヒトは「ヒト愛情システム」からすこし、距離を置くことができるようになりました。

 けれども、ヒト集団が生存していくために「ヒト愛情システム」は、建設的で健全な社会を、次世代にも、その次の世代にも維持していく、どうしても必要なシステムであるようです。おそらく、つい最近の日本社会にも、しっかりと根付いていた思われます。 

 日本人は、世界一豊かで、世界一自由で、世界一平等で、世界一平和な社会を、それまでの民族的伝統を基盤とした戦後の高度経済成長を通じ、実現しました。しかし、バブル経済を経て、市場主義改革に至り、現在、日本人の「ヒト愛情システム」のきずなが、すっかりだめになってしまった気がします。

 ヒトは、おかあさんのおなかから生まれてきます。ですからヒトとヒトは、最初、肉体的にも一体であるといえます。そして他の動物と比較して脳が、非常に肥大化してしまったため脳が小さいうちにおかあさんのおなかから、出てきてしまいます。「ゼロ歳児は体外胎児である」「皮膚は発生学的にも脳と兄弟でスキンシップが大事である」と書いた本があります。生まれたばかりの赤ちゃんが泣くというのは、「ワタシをボクをだっこして下さい!」と保護を求めている姿でもあります。

 しかしながら、戦後の産院の制度では、出産に疲れ果てたおかあさんを気づかって、便利を考えて、母子の分離させてしまいました。生まれて初めての仮説検証は、「泣けば、おかあさんにだっこされる。」であると思います。戦後生まれの日本人は、はじめに、「健全な自己認識機能システム」形成に出鼻をくじかれています。

 そして、便利な粉ミルクの缶には、何時間ごとに与えると書いてあります。赤ちゃんの個人差を考えずに、おなかがすいて泣いていようが、おなかが満たされていようが、それにしたがって、栄養が与えられます。ここでも、「泣けば、ミルクを与えられる」という仮説検証が行われず、健全な自我の形成の調子が狂います。

 さらに、欧米の「子育て」の便利そうなところだけを抽出した情報が氾濫しました。

 それでもまお、外で遊べる豊かな自然が残っていました。生活の不便さはありましたが、今のように、メディアからの攻撃的な情報の嵐に、社会がさらされていないので、おかあさんの心にもゆとりがありました。あいさつし合うご近所も残っていました。いつでも遊べるお友達もいました。

 まだまだ、こどもたちが、ヒトとヒトとの関係を結べる環境が残っていました。

 3歳以降のヒトの急速な知性の発達は、物事の概念化を可能にします。このことと当時の環境が、乳児期の体験をくつがえすだけの、軌道修正を可能にしていました。

 さて、現在、こどもたちを取り巻く環境はどうでしょうか?

 世の中が便利になったためか、おとなは、ご近所づきあいが苦手になりました。自由、気ままを求めるあまり、人付き合いをわずわらしいと思うようになりました。

 便利な社会の消費者である親は、氾濫する消費喚起の情報惑わされ、消費と仕事に、ひどく忙しい気持ちの生活を強いられています。そして心が、疲れ切っています。常に物足りなく癒やされない気持ちでいっぱいです。

 そして、こどもたちが安心して遊べる場所も時間も相手もなくなってしまいました。自然、一方的で考える隙を与えない「テレビ」に向き合うか、条件反射を鍛える「テレビゲーム」で一人遊びすることになります。

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 さらに、経済効率至上主義の時代の流れで、親が自分自身を認められないがための「自己愛」「わがまま主義」が強くなりますから、こどもをますます 自分の思い通りにしようとします。

 そしてとうとう「ヒト愛情システム」から、はじめから、はずれた脳を持つ人類が、多数出現することになりました。自分に肯定感がなく、気に入らないことがあると、すぐキレる若者です。

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 さて、「ママボクをダメにしないで」という本があります。そのなかに、夕食は家族そろって終わるのが理想的で、お父さんが、晩酌で一人で食卓に残るのは、よくないと書いてあります。家族が、同じ場所、同じ時間、同じものを食事する事は、家族の仲間意識を作るのに大切だからです。

 この本に書いてあることをそのまま引用します。

 「人間が、仲間意識を強く感じるのは、同じものを同じ場所でともに食べるというところから始まります。例えば、ニューギニアの原住民の部落を、探検隊が訪れたとします。部落の長老は、住民を集め、探検隊も加わり、円座を作り、ひとつの器に入った酒をまわし飲みにしたり、同じものを同時に食べあって、お互い敵意のない仲間としての儀式が行われます。」

 「人間、同じ場所で、同じ時刻に食べる、これは、現代でも仲間意識を強める儀式なのです。」

 発生学的に見ると脳は動物が食べ物を摂取するために出来たようなものです。ですから食べることは、脳にとって、根元的な行為であるといえます。人間においても、顎からの情報が脳活性に大きな影響を与えています。

 原始時代の人間の姿を想像しても、家庭での温もりある食事は、人と人とをつなぐ思いやりをつくる基本のような気がします。愛情に包まれること、好きなメニューを出してもらうこと、おいしいものをみんなで食べて共感すること、今日あったことや、これからしたいことなど肯定的に聞いてもらうこと、こういった中で、健全な自己モデルの完成を促し、自己の他者化、他者の自己化の神経回路の基本が、できてくるものだと思います。

 食事によって、ヒトとヒトの連帯感、仲間意識を作ることができます。家族でいると、安全、安心、愛情を感じます。これは、脳にとっては、胎児の時に母体から受ける「何でも要求を満たしてくれる作用」と同一ではないでしょうか。その上、咬むこと、味わうことは、ドーパミンなど快感神経伝達物質の大脳皮質前頭連合野への作用もあります。 健康な人間関係を作るための努力として、「食」は粗末にしてはいけないものです。これからの時代「食」は意識して大切にしていかなければなりません。

 そのための基礎として、顎口腔、歯を健全な機能を維持し、自然に楽しく食事ができる条件を整えること、これが私、歯科医からの願いです。

 一日一回、30分以上、二人以上で食事をしているのは、日本人の60%ぐらいしかいない、という調査を聞いたことがあります。「家族が、同じ場所、同じ時間、同じものを食事する事」、いまの日本社会で望むことは高嶺の花なのでしょうか?

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ここの、ブロードマンの脳地図46野に「わたくし」がいるそうです。

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  愛情深くお話を聞いて下さったことに、感謝致します。        

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参考図書                                                       

咬むことと脳の働き      上田 実    デンタルフォーラム

咀嚼健康法               上田 実    中公新書

わがままな脳              澤口俊之   筑摩書房

平然と車内で化粧する脳  澤口俊之   扶桑社

幼児教育と脳              澤口俊之    文春新書

私は脳のどこにいるのか   澤口俊之    筑摩書房

意識と脳                    澤口俊之訳   日経サイエンス社

脳をあやつる分子言語    大木幸介     講談社ブルーバックス

脳内麻薬と頭の健康        大木幸介     講談社ブルーバックス

やる気を生む脳科学        大木幸介     講談社ブルーバックス

人の心は脳のここにある   大木幸介     河出書房新社

欲脳                        大木幸介他   光文社カッパブックス

脳の話                      時実利彦   岩波新書

人間であること             時実利彦   岩波新書

脳のメカニズム            伊藤正男   岩波ジュニア新書

脳の不思議           伊藤正男     岩波書店

唯脳論                     養老孟司   青土社

進化する脳              養老孟司訳  日経サイエンス社

脳と心の地形図          養老孟司監訳 原書房

精神と物質                利根川進他  文芸春秋

私の脳科学講義           利根川進     岩波新書

脳が考える脳        柳澤桂子    講談社ブルーバックス

脳の探検 上下       久保田競訳  講談社ブルーバックス

脳の手帳                 久保田競他   講談社ブルーバックス

脳内不安物質            貝谷久宣     講談社ブルーバックス

脳と心をあやつる物質    生田 哲     講談社ブルーバックス

マンガ脳科学入門      アングスゲラトゥリ  講談社ブルーバックス

脳ってすごい!       Rオーンスタイン他  草思社

脳を育てる                高木貞敬     岩波新書

子育ての大脳生理学   高木貞敬   朝日新聞社

心と脳の科学            苧阪直行      岩波ジュニア新書

話を聞かない男地図が読めない女 

                 アランビーズ他  主婦の友社

EQ心の知能指数     ダニエルゴールドマン  講談社

脳からストレスが消える 高田明和      光文社カッパブックス

脳を究める                立花 隆      朝日文庫

育つ癒やす学ぶ脳図鑑21  小泉英明編    工作舎

脳のお手入れ        ケネスジュフレ他  きこ書房

忘れる脳覚える脳        米山公啓      青春出版社

脳内革命                  春山茂雄      サンマーク出版

脳と神経の生物学        伊藤 薫      培風館

顔の科学                  西原克成      日本教文社

生命形態学序説          三木成夫      うぶすな書院

ネアンデルタール人と現代人

                         河合信和      文春新書

胎児教育                  大島 清     ごま書房

乳幼児の世界             野村庄吾      岩波新書

自由主義の再検討        藤原保信      岩波新書

市場主義の終焉          佐和隆光      岩波新書

子どもへのまなざし      佐々木正美    福音館書店

続子どもへのまなざし    佐々木正美    福音館書店

お母さんがすき自分がすきと言える子に

                       佐々木正美    企画室

いい人間関係ができる子に育てたい 

                        佐々木正美    企画室

育てたように子は育つ  佐々木正美   相田みつを    小学館

アイデンティティ        EHエリクソン  金沢文庫

ママぼくをダメにしないで 鈴村        至上館

善の研究                   西田幾多郎  岩波書店

アフォーダンス-新しい認知理論

                      佐々木正人    岩波書店

脳の方程式いちたすいち  中田 力      紀伊國屋書店

自己組織化とは何か      都甲 潔他    講談社ブルーバックス

図説歯学生理学           船越正也他    学建書院

分担解剖学2              森 於菟他    金原出版

医科生理学展望          WF.Ganong     丸善

新しい時代の口の科学   森本俊文他    医歯薬出版       など

注 最後までお読みになってくださった方、ありがとうございます。
ヒトとヒトとの共依存問題、ヒトとヒトの境界線のことを加味して考えると、上のような論理展開だけでは不十分であったと、近頃は思っています。
また、単にお金の存在が問題でなく、「比較する」という感情が重要な問題と考えています。

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